専門家による記事
アジア各国でのベンゾジアゼピン(抗不安薬・睡眠導入薬)の使用状況とその副作用について #3
2020年12月14日
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“In the COVID-19 era the availability of online CBT programs for such conditions has proliferated”
#一般論として、ベンゾジアゼピンの処方に関して心配な点はありますか?
ベンゾジアゼピンの乱用は国を挙げた課題となっており、政府のガイドラインは精神科医以外からの処方は少量を2週間までと推奨しています。この結果、ベンゾジアゼピンの処方を求めて、多くの患者が精神科医に紹介される事態になっています。
精神科医がベンゾジアゼピンの依存あるいは乱用となっている患者を見ることは一般的です。過量服薬による自殺企図でもしばしば使われる薬です。このような不適切な薬剤の使用は、患者を有害な事象(沈静、誤嚥、痙攣、死亡)のリスクにさらし、適切な長期的な治療を受けることを遅らせたり妨げたりします。

Phern Chern Tor
著者サイト
https://scholar.google.com/citations?user=nsIe0BgAAAAJ&hl=en
肩書
psychiatrist
所属
シンガポール国立大学 Yong Loo Lin 医学部、デューク大学 シンガポール国立大学医学部及び南洋理工大学Lee Kong Chian医学部
紹介文
Tor先生はシンガポール国立大学を卒業後、シンガポール軍の心理治療に従事しつつ数多くの論文を発表されています。シンガポールはベンゾジアゼピンの処方に特に厳しい国ですが、Tor先生はアジアの研究者としてシンガポール国内だけではなく日本を含めた外国の研究者と共同でベンゾジアゼピンの国別使用状況の研究もされています。今回はTor先生がRestbestのためにこれまでの研究のまとめやベンゾジアゼピンとz薬の副作用について語ってくれました。