専門家による記事
英国における睡眠治療と認知行動療法について #1
Although medications can be helpful, the treatment for which there is strongest evidence is CBT-I
#Meyer先生が診る睡眠障害のタイプはなんですか?また、それはどのくらい一般的なものですか?
不眠症は私たちが最も頻繁にみる睡眠の問題です。私たちはみな、時には眠りに落ちる事や眠気を保つ事が困難である時期を経験します。例えば、ストレスを経験したり、生活の変化を求められた時などです。こういったことは、正常な反応であり、治療は必要ではありません。しかし、一部の人、概ね全人口の5-10%では、不眠症は慢性化します。このことは、ストレスフルな出来事が終わった後も、睡眠の問題は続き、そして不眠症そのものがストレスの原因になるということを意味しています。不眠症の人は、眠りに落ちる事ができない心配や、ベッドに横になったあとに翌日どう感じるかについての不安がどんどん大きくなると私に話してくれます。場合によっては、仕事をする事ができるか心配になっている人もいるようです。一部の人は、もっと眠れるようにと願って、早くにベッドに入ります。でもこうする事で問題をより悪化させます。不眠症と共に生きることは本当に悲惨ですが、効果的な心理的治療法がある事はいい知らせです。

Nicholas Meyer
著者サイト
https://scholar.google.com/citations?user=FC_5Y6QAAAAJ&hl=ja
肩書
Consultant Psychiatrist in Behavioural Sleep Medicine
所属
Royal London Hospital of Integrated Medicine, London, UK
紹介文
Meyer先生はオックスフォード大学医学部卒業後、オックスフォード大学で研修医を修了しました。その後は英国のMaudsley病院で睡眠の臨床を行い、キングス・カレッジ・ロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所で睡眠の研究に携わってきました。
英国での睡眠治療方針は日本とは大きく異なり、日本よりも薬に頼らない方法を重要視しています。英国の睡眠専門医が睡眠に対する治療の考え方と今後の研究の方向性をRestbestに語ってくれました。