専門家による記事
アジア各国でのベンゾジアゼピン(抗不安薬・睡眠導入薬)の使用状況とその副作用について #2
“In the COVID-19 era the availability of online CBT programs for such conditions has proliferated”
#シンガポールと日本を含めたアジアにおけるベンゾジアゼピン処方の状況を教えてください。
2010年に実施されたシンガポールメンタルヘルス調査では一年間にベンゾジアゼピンを使用する人は1.2%でした。精神科医療を求めている人の方が求めていない人よりもベンゾジアゼピンの処方を受ける確率は統計的に高かったです。統合失調症の方では約半数がベンゾジアゼピンを内服し、うつ病では約1/4の方が内服していました。
#精神科医療を求めていない方はどこでベンゾジアゼピンを入手しているのでしょうか?
一般開業医から受け取っています。
#ベンゾジアゼピンの処方を国ごとに比較はしましたか?
はい。ベンゾジアゼピンの処方率が最も高いのは台湾と日本で最も低いのはタイと中国です。一方で処方量が最も高いのは台湾と中国で、韓国とシンガポールは最も少ないです。

Phern Chern Tor
著者サイト
https://scholar.google.com/citations?user=nsIe0BgAAAAJ&hl=en
肩書
psychiatrist
所属
シンガポール国立大学 Yong Loo Lin 医学部、デューク大学 シンガポール国立大学医学部及び南洋理工大学Lee Kong Chian医学部
紹介文
Tor先生はシンガポール国立大学を卒業後、シンガポール軍の心理治療に従事しつつ数多くの論文を発表されています。シンガポールはベンゾジアゼピンの処方に特に厳しい国ですが、Tor先生はアジアの研究者としてシンガポール国内だけではなく日本を含めた外国の研究者と共同でベンゾジアゼピンの国別使用状況の研究もされています。今回はTor先生がRestbestのためにこれまでの研究のまとめやベンゾジアゼピンとz薬の副作用について語ってくれました。