専門家による記事
アジア各国でのベンゾジアゼピン(抗不安薬・睡眠導入薬)の使用状況とその副作用について #4
“In the COVID-19 era the availability of online CBT programs for such conditions has proliferated”
#日本では、多くの人がベンゾジアゼピンを処方してくれる医師を探すことがあります。医師が処方している限り、ベンゾジアゼピンの使用は違法ではないんです。また、ベンゾジアゼピン依存症を治療するプログラムに参加するためには精神科医が患者に強い意志を求めます。したがって、ベンゾジアゼピンの使用をやめようと思っていない患者は、永遠に処方を受ける傾向にあります。このような患者をどのように治療したらいいでしょうか?
これは非常に難しい状況です。シンガポールでは、解決法は厚生労働省による監査になっています。毎年、何名かの一般開業医はベンゾジアゼピンの不適切な利用で罰金になったり免許停止になっています。
# Z薬(非ベンゾジアゼピン系の抗不安・睡眠薬:ゾピクロン・エスゾピクロン・ゾルピデムなど)はベンゾジアゼピン系の薬剤に関する懸念と無関係だとおもいますか?
Z薬は、当初はベンゾジアゼピン系の薬剤よりも依存性が小さいと考えられていました。しかし、臨床においてはベンゾジアゼピンと類似した乱用の可能性があり、ベンゾジアゼピン系と同様に管理される必要があります。

Phern Chern Tor
著者サイト
https://scholar.google.com/citations?user=nsIe0BgAAAAJ&hl=en
肩書
シンガポール国立大学 Yong Loo Lin 医学部、デューク大学 シンガポール国立大学医学部及び南洋理工大学Lee Kong Chian医学部
所属
https://scholar.google.com/citations?user=nsIe0BgAAAAJ&hl=en
紹介文
Tor先生はシンガポール国立大学を卒業後、シンガポール軍の心理治療に従事しつつ数多くの論文を発表されています。シンガポールはベンゾジアゼピンの処方に特に厳しい国ですが、Tor先生はアジアの研究者としてシンガポール国内だけではなく日本を含めた外国の研究者と共同でベンゾジアゼピンの国別使用状況の研究もされています。今回はTor先生がRestbestのためにこれまでの研究のまとめやベンゾジアゼピンとz薬の副作用について語ってくれました。