専門家による記事

アジア各国でのベンゾジアゼピン(抗不安薬・睡眠導入薬)の使用状況とその副作用について #5

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“In the COVID-19 era the availability of online CBT programs for such conditions has proliferated”

#ベンゾジアゼピンの代用となるものはなんでしょうか?

これはベンゾジアゼピンが何のために処方されているかによります。もしアルコール離脱のためであれば、ベンゾジアゼピンは依然として標準的な治療です。しかし、不眠や不安であれば、抗ヒスタミン薬やSSRIあるいはプレガバリンはより安全な代替薬になります。

# わたしたちは、認知行動療法、特にマインドフルネスの認知を日本で広めたいと考えています。CBTあるいはマインドフルネスはベンゾジアゼピンを代替しえるとおもいますか?

CBTやマインドフルネスのような非薬物療法的な不眠・不安・抑うつへのアプローチが効果的であることは証明されています。COVID-19の時代には、オンラインCBTができることは、自分自身をCOVID-19に感染させずに不眠・不安・抑うつを治療するとても安全な選択肢の一つです。

Phern Chern Tor

Phern Chern Tor

著者サイト

https://scholar.google.com/citations?user=nsIe0BgAAAAJ&hl=en

肩書

psychiatrist

所属

シンガポール国立大学 Yong Loo Lin 医学部、デューク大学 シンガポール国立大学医学部及び南洋理工大学Lee Kong Chian医学部

紹介文

Tor先生はシンガポール国立大学を卒業後、シンガポール軍の心理治療に従事しつつ数多くの論文を発表されています。シンガポールはベンゾジアゼピンの処方に特に厳しい国ですが、Tor先生はアジアの研究者としてシンガポール国内だけではなく日本を含めた外国の研究者と共同でベンゾジアゼピンの国別使用状況の研究もされています。今回はTor先生がRestbestのためにこれまでの研究のまとめやベンゾジアゼピンとz薬の副作用について語ってくれました。