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英国における睡眠治療と認知行動療法について #6

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Although medications can be helpful, the treatment for which there is strongest evidence is CBT-I

# 睡眠研究の将来的な方向性について教えてください

どこからはじめましょうか。睡眠研究は、そのくらい発見に満ちたエキサイティングな領域なのです。

たくさんの理論がありますが、睡眠が何のためにあるのか私たちはまだ完全には理解していません。新しい記憶を形成するために睡眠が脳をたすけている、脳事態を修理している、あるいは体のたくさんの機能を維持しているのかなど、睡眠の役割を明らかにする助けとなるたくさんの魅力的な研究がこれから数年のうちに発表されると確信をもっています。

私が個人的に興味を持っている領域は、クリニック外で睡眠を計測する新しい技術を開発することです。例えば、スマートフォンやウェアラブルデバイスは睡眠パターンの記録に使えるかもしれませんし、自宅にいる人に治療を届けることができるかもしれません。現時点では、睡眠障害はあまり認知されておらず、十分に治療されていません。こういったデジタル機器はこのギャップを埋める可能性があります。

脳で何が起こっているかなど原因をもとに、不眠症をサブタイプ化するような不眠症の理解の進展を見るのではないかと思っています。そうすると睡眠障害に対するよりよい治療につながるはずです。

 

 

Nicholas Meyer

Nicholas Meyer

著者サイト

https://scholar.google.com/citations?user=FC_5Y6QAAAAJ&hl=ja

肩書

Consultant Psychiatrist in Behavioural Sleep Medicine

所属

Royal London Hospital of Integrated Medicine, London, UK

紹介文

Meyer先生はオックスフォード大学医学部卒業後、オックスフォード大学で研修医を修了しました。その後は英国のMaudsley病院で睡眠の臨床を行い、キングス・カレッジ・ロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所で睡眠の研究に携わってきました。
英国での睡眠治療方針は日本とは大きく異なり、日本よりも薬に頼らない方法を重要視しています。英国の睡眠専門医が睡眠に対する治療の考え方と今後の研究の方向性をRestbestに語ってくれました。