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難治性うつに対する治療概要反復経頭蓋磁気刺激療法 #2

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“治療抵抗性うつ病に対する治療法として、軽症であれば認知行動療法などの心理療法、…長年、精神科外来に通院し、抗うつ薬を処方されているにもかかわらず、うつ症状がなかなか改善しない場合は経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation: TMS)療法があります。”

# 治療抵抗性うつ病の患者さんに対する薬物療法以外の治療法にはどのようなものがありますか?

治療抵抗性うつ病に対する治療法として、軽症であれば認知行動療法などの心理療法、重症であれば入院治療が推奨されますが、しかし、現在、治療抵抗性うつ病の大部分を占めているのは、重症度としては中等症レベルで、有効な治療法がないため、うつ症状が長引いているケースです。そのようなケースでは、長年、精神科外来に通院し、抗うつ薬を処方されているにもかかわらず、うつ症状がなかなか改善しないといったことがしばしばあります。このようなケースに対するうつ病治療として、近年開発されてきたものに経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation: TMS)療法があります。

野田 賀大

野田 賀大

著者サイト

https://scholar.google.com/citations?user=9xekxcEAAAAJ&hl=ja&oi=ao

肩書

MD, PhD

所属

慶應義塾大学精神・神経科、Multidisciplinary Translational Research Lab

紹介文

野田賀大先生は東京大学医学部附属病院で研修ののちトロント大学精神科Centre for Addiction and Mental Health・Temerty Centre for Therapeutic Brain Interventionにて、日本人初の精神科研究医として、数年間に亘る本格的なクリニカルリサーチのトレーニングを積まれました。精神科研究医に加えて、そこではrTMS/TMS-EEGの他、Deep TMS、MSTをはじめとしたニューロモデュレーション研究も実施されました。帰国後は、慶應義塾大学精神・神経科でrTMSをはじめとした研究を主導されています。rTMSについて不確かな情報の提供や不適切な治療的介入が行われることが多いので、日本のTMSの第一人者である野田賀大先生にTMSについて教えていただきました。