専門家による記事

ADHD治療のエビデンスと小児精神医学研究の行末 #3

会員限定

“the pharmacologic treatment and behavioral parent training should be complementary”

#日本にいるお子さんがADHDと診断されたご両親へのアドバイスはありますか?

もう20年以上前になりますが、サウサンプトン大学の同僚がNew Forest Parent Training Programme (NFPP)を開発しました。NFPPは最近日本語に翻訳されました。ご両親にはこのプログラムを読んでそのコンセプトを理解していただき、もし近隣で開かれていればプログラムに参加してはどうかと思います。

#コルテーゼ先生の今後の研究の方向性について教えてください。

私はADHD領域の特に治療において正確な精神医療の方法を開発したいと思います。これまでは、どの治療薬を選択するかは完全にトライアンドエラーでした。私は、個人レベルでの反応と耐用性の予測因子を発見したいと思っています。

Samuele Cortese

Samuele Cortese

著者サイト

https://scholar.google.com/citations?user=BnSg4BEAAAAJ&hl=en

肩書

Professor, MD, PhD

所属

the University of Southampton, Department of Psychology, Child and Adolescent Psychiatry

紹介文

Cortese先生はイタリアのVerona大学医学部をスンマ・クム・ラウデ(成績最上位)で卒業し、同大学での小児精神科研修を同じくスンマ・クム・ラウデで修了しています。パリの病院で研修後、Verona大学大学院でマルチ画像の研究を行い、卒業時にはDoctor Europaeusも授与されました。その後はマリーキュリーフェローシップを獲得し、ニューヨーク大学でADHDの脳画像研究を行いました。その後は英国Southampton大学で発達障害の臨床と研究に従事されています。今年は外部機関により過去10年間において世界で2番目にADHD研究に貢献した人物と認定されています。今回は世界的なADHD研究の権威であるCortese先生にお話をお伺いしました。