コラム法とは?

出来事の捉え方のクセは人それぞれです。コラム法では、

  • いつ、どのような状況で
  • どのような考え方のクセが出て
  • 実際にはどう考えるのが客観的か

を記録します。記録を見て、コーチはあなたのクセを理解し解決法を提案します。どのような時にクセが出やすいか知れば、不安や抑うつは次第に小さくなります。

ひとは自分に起こる出来事を常に主観的に見ています。
この客観的事実と主観的捉え方の間の解離が原因となり適応的な行動を取れないことが生きていく上での困難感につながっています。
まず、事実を客観的を把握しましょう。そして、自分が無意識的に反応して発生した感情はどのようなものでどのくらい確信していたか。
後から考えてみると(あるいは他の人から客観的にみて)、どのくらいのどのような反応が適切だったか。
そして、その時の適応的な行動は何だったのか知りましょう。
その組み合わせを積み重ねることで、生きやすくなります。
rest bestでは、自分に起こった出来事を記録し、考え方を切り替える練習のお手伝いをいたします。

認知行動療法(CBT)とは

従来型の認知行動療法は、自分の考え方のクセを理解し、出来事を客観的に把握することを目標にします。マインドフルネスと呼ばれる最新の認知行動療法では、呼吸や動作に意識を向ける方法を採用しています。いずれの認知行動療法も不安や抑うつといった陰性感情を減らすことを目的とします。自分一人で行うこともできますが、心理士や精神科医と話し合いながら進めることが一般的です。

悪循環

生きていればよくない出来事は誰にでも起こります。また、よくないことが起これば、当然気分はよくないです。例えば、仕事でミスをすることは誰にでもあります。仕事でミスをして落ち込むのはごく当たり前の反応です。しかし、人には考え方にクセがあります。具体的には、簡単に取り返しがつくようなミスを大きなものだと思い込んだり、仕事のミスを自分自身の人格や能力と結びつける傾向がある人もいます。 例えば、書類送付を1日忘れていたとします。その結果あなたのココロでおこる反応は「書類送付を1日忘れた」という事実に相当するものでなければなりません。「書類を1年出さなかった」というようなものであっては事実と反応の割合が合いませんし、ましてや「書類送付を1日忘れた」ということがあなたの能力の全てを反映しているわけではありません。

再発予防は必要でしょうし、会社や学校から同じ間違いをしないように求められると思います。しかし、そのような事実に即した相手の反応を「自分の能力がないと指摘された」とか「自分はダメな人間だといわれた」と認知していると当然やる気は起こりません。イライラしたり、不安になったり、事実にそぐわない反応が起こってしまいます。こういった反応は次にまたミスをする土壌を作ってしまいます。

好循環

ミスをすればある程度嫌な気持ちになるのは当然です。しかし、その程度が適当かはまず認知行動療法で確認します。客観的事実からかけ離れた気分になっている場合には指摘します。上の例では、「その落ち込み方は書類の送付を1日遅れたというミスに対して適切な程度ですか」ということになります。もちろん、コーチも状況を正確に把握する必要があります。そこでコラム法では状況を細かく記載してもらいます。しかし、細かい状況を共有した上でも、気分の反応が強すぎる人はいます。その人には、まず反応が強すぎることを伝えます。次に認知行動療法が対象とするのは、気分と認知の関係です。反応が事実に沿ったものになれば自然と認知も改善されることはあります。しかし、気分は落ち着いても、認知は気分から飛躍している場合には、それは認知の歪みとして矯正しえます。例えば、「自分にはミスした時に過剰に反応して人格にまで結びつける癖がある」と理解していれば「自分には価値がないと今は思っているけれど、これは自分のクセで考えすぎてるんだよね」と客観的に自分の考えを見ることができるようになるのです。

認知の歪みを矯正できれば、自分を過小に評価したり、やる気がなくなったりといった二次・三次的な結果を予防できます。そうすることで次のミスの確率を上げないのです。

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